この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
「職場に協調性が欠如した社員がいるので、早期に解雇したい。」とのご相談を会社から受けました。「その社員の方は、勤務年数が長いものの、他の社員と協力して業務を遂行する能力に乏しく、他の社員の仕事にも悪い影響が出ているので、できれば円満に解雇したい。」とのご希望でした。
解決への流れ
協調性の欠如を具体的に、その都度口頭及び書面で注意してもらい、本人の言い分も聞きながら、それでも改善しない場合には、始末書を提出させ、様子を見ていただいていたところ、自主退社ということで、比較的早期に解決に至りました。
「自分は問題社員だ。」と自覚している社員はいません。「協調性がない。」と言われても納得される社員はいないと考えるべきだと思います。問題行動があったら、直ちにその点を具体的に本人に口頭と書面で注意し、本人に気付かせるべきです。口頭のみでは、後に「注意はされていない。」と反論されてしまいますので、書面でも注意の事実を記録すべきです。改善しなければ、何度も同じ注意を繰り返し、「会社は決して黙認しない。」との態度を示すべきですし、それでも改善がみられなければ、「注意に従わずに問題行動をした。」旨本人に始末書を作成させて提出させるべきです。解雇は、社員にとっては死活問題で、後日争われることも極めて多いのが現実です。「解雇には、相当な時間が掛かり面倒だ。」と予め認識した上で、段階を踏んで記録を残しながら解雇に向けての手順を踏んでいくことが、会社を守るためにも肝要です。